不動産業界

車が苦手な宅建士でも不動産業界で働ける!?

猫餅

不動産業界で働くには運転免許が必須だと考えている方は多いでしょう。
特に営業職では車を使った移動が基本となるため、運転免許所持が採用条件と
なっている企業も少なくありません。
しかし宅建士ならば、運転免許がなくても活躍できる可能性は十分にあります。
本記事では、不動産業界における運転免許の重要性と、車が苦手な宅建士が働くための対策について解説します。

結論

正社員営業の場合、大抵必要になる

事務員と業務委託の場合は無くても可能性有り

分譲マンション販売会社なら車無しでも宅建士として成功できる

茜

営業マンの場合無いと仕事にならん事が多いな。
それ以外の雇用でも基本的には免許があったほうが良いで。
ただ高い運転技術は要求されへんから過度な心配は不要やし、無くても
やっていける道はある!

前提として宅建士が〇〇に配属される場合は?という想定の話やで!

不動産業界で運転免許は必需品!その理由とは?

不動産業界では物件調査や案内、顧客との打ち合わせと移動が多く発生します。
対象となる場所が、遠方や地方である事も少なくない為、運転免許が求められることが多いのです。
以下に主な理由を挙げてみます。

  1. 物件案内の移動
    賃貸・売買の営業では顧客を物件まで案内することが業務の一環となっています。
    都市部であれば電車やバスでの移動も可能ですが、地方では車がないとスムーズな
    案内ができません。顧客にも大きな負担となってしまいます。
  2. 物件調査の効率化
    営業職は物件の確認、役所調査など、日々の業務で複数の場所を訪れる事になります。
    行き先が離れている事も多いため、車で時間短縮する事が業務効率化に必要不可欠です。
  3. フットワークの軽さが求められる
    特に営業職では、スピード感が重要視されます。急な内見依頼や契約手続きに
    すぐ対応するには、車での移動が必要になる事も珍しくありません。
茜

最初から物件決め打ちしてるお客さんの場合は案内の時に車不要やな。
現地待ち合わせで内見して、その場か最寄駅で解散したら終わりや。

ただこういうお客さんはそんなに多くないし、物件調査でどの道必要な事
多いから割とレアなケースとも言える。

葵

大体は2・3件巡る事になるよね。

営業の場合は必需品!その理由は戦略に有り

営業に求められる事は売上を取る事です。

これは企業が営利組織であり、従業員の生活を守る為にも利益は必要不可欠だからです。
そして、不動産営業は移動を前提とした仕事がほとんどです。
その理由としては、売上を伸ばすための営業戦略と密接な関係があるからです。

  1. 顧客満足度の向上
    物件を効率的に2・3件案内することで、顧客の満足度が向上します。
    1件だけでは「他にもっと良い物件があるかも・・・」と顧客に迷いが生じやすく
    契約を取りにくい状態になります。
  2. 商圏の拡大
    徒歩や自転車での営業も都市部なら可能ですが、郊外だと車がなければ営業範囲が
    狭まります。
    違う町の物件を案内する事も多い業界の為、案内できる距離(=商圏)が広がるほど
    多くの案件を獲得できるため、車を活用するのは営業戦略の基本となっています。
  3. 時間効率の向上
    一日に複数の顧客を対応する必要があるため、公共交通機関だけではスケジュールが
    組みにくくなります。移動時間の効率化を図り、効率よく営業する為には車が
    どうしても必要になってきます。

顧客からすれば、不動産会社そのものは選び放題と言えます。
限られた商談の機会を逃すことなく、契約に繋げて売上を伸ばしていけるかは営業マン次第です。
顧客に不便を強いたり、不快な思いをさせているようでは成果が伸び悩むことになりかねません。

最近は不動産業界のデジタル化も進んできており、賃貸物件に限ればWEB申込、オンライン内見、IT重説と
顧客にまつわる業務を、一貫してオンライン上で完結する事も不可能ではありません。
ですが、取引全体で見ればまだまだ少数であり、営業マン自身は車移動をしている事に変わりありません。

営業に関わるのであれば、運転免許は切っても切れない関係なのです。

茜

地方の区役所とか何故そんな所に・・・と言いたくなる場所にある事も
珍しくないからなぁ。車ないとやってられんで?

そもそも何故2・3件内見して回るのか?

ところで、営業マンは何故内見の際に複数の物件を案内しているのでしょうか?
その理由は不動産業界が売上を上げるための手法にあります。

ひとつめの理由としては先に挙げた顧客満足度の為です。
これは顧客に対して、2・3件回る事で十分検討したという達成感を与える目的があります。
1件だけでは他の物件が気になってしまい、契約に進んでもらえない可能性が高くなるからです。
ちなみにたくさん内見すれば良いというものでもありません、疲れてお互い嫌になります。
また、心理的な要素として最初にあえて質の悪い物件や割高な物件を見せる事で、次の内見の期待値を
高めて成約率を高める狙いもあります。

ふたつめの理由としてはより高い報酬を得る為です。
特に賃貸物件の場合、貸主側(=大家)から成功報酬として広告料を受け取れる事があります。
これは法律で制限されている報酬とは別に受け取る事が可能となっており、不動産屋からすれば
優先的に契約して欲しい物件と言えます。

以上の事から

 ❶お客さんが当初希望する物件
 ❷その希望物件より一回り質の悪い物件
 ❸質が一番良く、なおかつ多くの広告料を取れる単価の高い物件

これらを❷→❸→❶の順で内見させて、心理的に❸を選ばせるのが営業戦略の定番となっています。

茜

法律で報酬が厳しく制限されてる不動産業界で、知恵を出し合って作り上げた営業のセオリーといえるな。

葵

心情としてはお客さんの希望物件を周辺施設含めて入念に調べて、その1件全力で対応して報酬を貰えたらいいんだけどね・・・

事務員の場合、あれば尚可という温度感

事務員の場合、営業マンと違ってそこまで重視される事はありません。
ですが車が使える場合は担当できる業務の幅が広がる為、あれば尚可としてる求人広告が多く見られます。

基本的に事務員は以下の業務を担当します。

  • 電話やメールの対応
  • 取引が生じた際の帳へのの記帳
  • 顧客の来店対応や業者への鍵の貸借
  • 管理会社や保証会社への取次
  • 物件サイトの情報更新
  • 宅建士であれば重要事項説明

このように、営業のサポートが中心となっています。
物件に関する資料も営業マンが集めてくることが多いため、事務員が調査に赴く場面は限られます。

ですが運転免許があれば他店の応援や内見の代行、調査に出向く事も可能になり営業マンの
スケジュール調整に関与する事ができます。
仕事の幅が広がる事は、給料が上がる見込みとも考えられますから持っていて損になる事はないですね。

茜

営業したくないから運転免許取らないという選択肢はうちの考えやと無しや。事務員なのに営業ばっかりさせられると不満なら転職すればええんやし。

葵

お金が全てじゃないけど、労働するならしっかり給料貰わないとね!

業務委託の場合、免許は必要だが使うかは本人次第

最後に業務委託として働く場合ですが、運転免許の必要性は契約会社と本人のスタイルで変わります。
不動産業界における業務委託の位置づけとしては

限界まで固定費を下げたいので、専任宅建士以外ほぼ業務委託にしている
専任宅建士が増えて、余ってる従業者枠で追加の売上が欲しい

どちらかの考えで採用されている事が多くなっています。
しかしどちらのケースでも、必要な売上は社内で確保できている事がほとんどです。
よって、車を活用するか否かは本人がどの位稼ぎたいかが全てといえます。

高い収益を望むのであれば、得られた反響に対してアポイントを取り、積極的に営業して回る事が
必要となりますので、車を活用して効率良く業務をこなす事が必要となります。

逆にライフワークバランスを重視する場合、自身のSNSから得られた反響を契約企業に逆委託して
終了する事も可能である為、余裕を持ったスケジュール調整が可能となります。
この場合は車を活用せずともこなせる案件のみ対応するという選択もできますね。

注意点として、車を最初から絶対使いたくない場合、業務委託して貰える可能性はかなり低いと言えます。
自身が車を活用するか否かは、あくまで業務遂行の選択肢に過ぎないため、最初に契約を結ぶ際の期待値を
高めるためには、車を活用できるとアピールする事は重要な要素になります。

茜

どう考えたって売上取りにくそうな相手と契約したい企業は少ないからな。
乗れるけど、必要に迫られない限り使わない位で丁度良いと思うわ。

葵

お姉ちゃんはレンタカー営業だから猶更だね。

車が苦手でも営業マン宅建士として働きたい時の戦略

「運転免許のない自分に営業は無理なのか」
「視覚異常の私には縁のない世界」

そう考えた貴方への選択肢としては、以下の2つがあります。

  • 不動産管理会社
  • 分譲マンション販売会社

不動産管理会社は、主に賃貸物件で入居者からの問い合わせに対応したり入退去の手続き、空室対策を
行っています。
緊急性の高いトラブルでもない限り車を使わずとも対応できる業務は多岐に渡ります。
またそうしたトラブルの対応部署や人員が、別に存在する事も珍しくありません。

分譲マンション販売会社は、勤務先の大半は物件周辺に併設されるモデルルームとなります。
近年のマンションは駅周辺、徒歩5~10分圏内に建設される事が多く公共交通機関と徒歩だけで向かえる上に基本的に顧客が来店するスタイルとなる為、車が無くても営業活動が可能となっています。
職場となるモデルルームも原則、直行直帰です(重説書、契約書が本社作成の場合は除く)

茜

戸建て住宅のハウスメーカー営業所と違って、分譲マンションはほぼ全て
駅周辺やからな。割とねらい目やと思うで!

葵

駅から遠いマンションって最近はあまり需要がないみたいだからね。

最後に

営業の場合も、高度な運転技術は基本的に必要ありません。
目的地に安全運転でたどり着く事だけが求められるので、ペーパードライバーでも講習を数時間受ければ
十分復帰できる範囲ですから、過度に警戒しなくても大丈夫です。

車に乗れないというだけで、宅建士証を飾りにする必要はありませんよ!

ABOUT ME
猫餅
猫餅
FP宅建士
大阪で活動中の2級FP宅建士。宅建には未経験から4か月半で一発合格。自身の勉強経験や資格の価値を発信しつつ、現在は不動産売買営業へ転職し、業務を行っています。 猫に愛情注いでる時間が至福の時。
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